2012.09.03 Monday
少年よ、覚醒せよ。
兵器と少女。交わることない二人が、”主従の契約”を結んだーー。
電撃小説大賞でも近年では一番の良作と聞いてずっと気になっていた。
しかも読書メーター、Amazonどっちでもほとんどポジティブコメントしか見なかったので、かなり期待して手に入れたんだが。決してガッカリではないけど。
とにかく「戦い」という単語をとても王道的な手法で表現できたと思う。
他の読者でもおっしゃった通り、「お見通しの展開だけど面白い」「癖のある文章」「キレイにまとまった」正しくそうです。
自分なりに追伸するのであれば、こういったジャンルの題材の作品で想像の付く展開を鮮やかに具現できた作品でした。「意思を持って生き続けよ」というメッセージがうまく伝わった。設定もとても合理的だし、廃墟サバイバル、架空設定の戦争もの、知能のある兵器、などが好きなら、読んでいるだけで楽しい一冊になるので、とりあえず一読すべし。
ピンポイントで設定以外の好きな所を話すとネタバレになりますが、
【叶葉と九曜の兄弟のような関係性、九曜と竜胆の過去の関係性 (戦後の「狂わずに居られる」所が、正しくそうだけど強調され過ぎて図々しいww)、竜胆の生き様】(反転でどうぞ)
とても個人的な感想と言えば、読者を選ぶような所には少し手こずった。
たとえば
① - キャラクターの個性を引き出したいせいか、喋り方の違いをとても顕著にしていたが、違和感を覚えた所も...癖のある文章よりも、そこが微妙でいた。
② - 日常パートの描写は、物語りの展開としては必然にそういう雰囲気になるんだが、どうにもシリアス感に欠けていてリアリティが...(ってあくまでラノベなので何とも言えないんだが ;;)
王道のストーリーラインに走っているからそうなるんだが、決して展開自体が地味だから残念ではなく、所々「こういう展開にしたいので次はこう書きます」というか...特にEDは、キレイにはまとまったけど、少し腑に落ちない感じがした。
もう少し我がままを言わせてもらうと、九曜の少年っぽさをもう少し引き出してくれれば、もっと魅力的な一作になれると思うんだなぁ。今はただ「鈍感」「ツンデレ」のカタにハマっていて、もう少し洗練された側面描写さえあれば、「未熟」「少年らしい素直になれない所」として定義できる所、だよなぁ。
一言で言わせてもらうと、良作だけど、そこまで褒める...?というか、☆1と☆2少なさ過ぎだろオイ!僕なら☆3.5にする所だけどね。
ブログ用のイラストを探すと、二巻もう発売されているしね...「買わない」派も以外に多いが、僕はどういう続き方するのか気になるので、「買う」派です、とりあえず中古待ち、かな。
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