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2013.03.30 Saturday


一穂先生の二冊目。
改めて読むと本当に実感したのは、先生の描写が僕と相性が良い (笑) 皆がどう読んでいるのか分からないけど、『is in you』と同じぐらいすんなりと読めた一冊でした。

まずは全体的に匂い、触れること、現実が五感に触れるモノによって夢や過去と混ざり合う鮮明なイメージ、これらの描写がとても上手に出来ていながら、どれもテーマに繋がる感じでとても読み応えがあった。
またこれは『is in you』にもそうだったけど、季節と天候の使い方がうまい!やっぱり文芸には季語が欠かせない (笑) というか、単にそういう雰囲気系が好きです。


表題作「Don't touch me」は連視点で長谷川に恋をして少しずつそれに自覚していく経過が綴られる。
自分は潔癖性じゃないけど、連の「俺にとっては至って普通の事なのになんで他人に言われなきゃいけない」といった感じの描写がとても上手に出来ており連が持っている苛立ち、というより孤立されている気持ちが凄く伝わってくる。
もちろん彼も若干無愛想な性格だからだけど、それは、自分の基本常識さえ受け入れてくれない事とは別。だからかな、その面については本当に肩入れをしたくなる、「そんぐらいの事理解してあげなよ」って w 作者も後書きで「こういう男子と知り合いになりたくない」と言うけど。連くん可哀想だよ!
先も言ったように連は長谷川への恋心に「少しずつ」自覚していく。いつも酒の場で当たり障りのない、とは言えないがすんなりお互いの話を受け入れて行くような会話のし方が穏やかで読んでて読んでて気持ちいい。またその進み具合?w 興味を持つことからやっぱり好きだと確認したまで、ペーシングがよくて自然に読めた。
その一線を越えるまでに積み上げた気持ちと、決意して彼に近付き、触れるシーンの描写がとても好き。

「Don't leave me」は長谷川視点に変えてケンカしてからの関係よくなるやーつだけど (おい)
正直「良いヤツの心底は知らない方が良い」ですよ wwww
後書きにも「割りと普通」「書きづらい」とあるが、僕はそれに賛成。誰にでも闇は抱いてるから、良い所ばかり書くと人間味失せるけど悪の場面も書けない、結局その良き心を知るのは幻滅を意味するとのこと w
長谷川の場合は、そういうの恋人に甘え過ぎだと思う。
さすがにゲイ扱いされる自覚を持ってほしい、というか連の家族事情だと見合いとかある意味で避けられない場面では?しかも「彼女いない」ってステータスはこれから続くから今進められなくてもいずれには絶対見合いに行くことになるでしょう。と、僕個人的にはやっぱり見合いとかで揉める意味がよく分からない。BLでは結構ベタで定番な展開だけどね。
そして細かいとこで連の可愛らしさと彼なりの優しさが分かるとこで連の株がまた上がる。
また、孤立される状況が割と自業自得だし?連への接し方は意外に計算尽くしてる感じ?しかも最後に来てマザコンじゃなくファザコンだった!(そこは違うの)
まぁツッコミはこれぐらいにしてww
嗅覚障害の心理的プレッシャーは生々しかった。また、同じくペーシングの話だが、連に会って少しずつ近付き、海の匂いがわかるようになった辺りの描写が、情景設定も環境設定も、どれも僕の好み。
あいにく、視点が違うので同じく「近付く」に掛けるが初読では前編の告白シーンに繋がることはできなかった。読み返しする時に意識していこう。
ちなみに終り方があまりにもあっさり過ぎて (だってHシーンの後二ページもないですよ?!) 「並んで歩く」にかけているのは十分分かるけど、幅的にはどうかと。大人の事情にしてもほどがある...です。(i.e.誰のせいだと言わんけどさぁ、どうかと。)

最後に、許せない程度じゃないけどどうしてもツッコミたいとこ:
① お二人ぱったり会い過ぎ! w
② 相っ変わらずHシーンに無理あり、しかも例のEDあっさり過ぎ問題で余計に「えっ?」ってなってしまう www
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